分子栄養医学

分子栄養医学とは

 日本では東大物理学科御卒業で物理学者の三石巌先生「分子栄養学」として最初に主張され、海外では米国のノーベル賞学者であるポーリング博士、カナダのホッファー博士「分子整合医学(Orthomolecular medicine)」「分子整合栄養医学」として実践された大量のビタミン適切量のミネラルを使って様々な病気を治療していく分子生物学の理論に基づいた新しい医学です。私はこの医学を偉大なパイオニア達の業績と最新の研究結果を合わせて慎重に応用していく意味で「分子栄養医学」と呼んでいます。ビタミンやミネラルは体内の化学反応(代謝)の助酵素として必須のものですが、ビタミンの必要量に大きな個人差があると考えられており、ミネラルも潜在的に不足している場合があります。またビタミンやミネラルの一部は抗酸化物質としての側面もあります。更に医薬品と違いビタミンやミネラルなどの栄養素は生体にとっては異物ではなく副作用も少ない利点があります。病態によっては化学薬品や生薬よりビタミン、ミネラルが有効な場合があり、また最近では抗加齢医学としても注目されておりアンチエイジングの基本であると私は考えています。高品質、高濃度のサプリメントを使用して治療することになりますので自由診療(自費診療)となります。
 ビタミンの相対的欠乏で頻度の多いのはビタミンB1(チアミン)B3(ナイアシン)です。ストレスやアルコールなどで需要量が多くなり倦怠感、不眠などの欠乏症状が出てきます。働き盛りの中高年のビジネスマンの方に必要なビタミンです。
 ビタミンC(アスコルビン酸)もストレス時には需要量が増加し抗ストレスビタミンとして大切です。犬や猫など多くの動物は体内でビタミンCを合成できますが、人や猿はビタミンC合成能力がなく外から必要量を取り入れる必要があります。
 日本人女性におけるミネラルの潜在的不足で最も多いのは鉄欠乏です。生理のある日本人女性は、食事からの鉄摂取量も少ないため潜在的鉄欠乏の方が多く、頭痛、めまい、不眠 食欲不振、冷え、皮下出血、風邪にかかりやすいなど多彩な症状を引き起こします。貧血のない潜在的鉄欠乏は通常の血液検査ではわかりません。治療は、短期の場合は鉄剤(非ヘム鉄)による治療が可能ですが、長期もしくは胃腸障害により鉄剤(非ヘム鉄)が服用できない方はヘム鉄による治療が適しています。ただしヘム鉄はサプリメントになります。

参考文献
山本哲郎 「潜在的鉄欠乏症の2症例」(第292回日本内科学会九州地方会抄録)